【失敗しないスラックス選び】なぜ「細身」を追い求めると、スーツは短命になるのか?
- 店長

- 4月1日
- 読了時間: 2分
「できるだけ細く、スマートに見せたい」 オーダースーツを仕立てる際、多くのお客様からいただくリクエストです。
確かに、鏡の前でビシッと立っている姿は格好いいかもしれません。しかし、スーツの真価が問われるのは「動いている時」です。仕立て屋として、13年の経験からお伝えしたいスラックス選びの真実があります。
1. 「細さ」の代償は、膝の形に出る
スラックスを限界まで細くすると、立っている時は綺麗ですが、座った瞬間やしゃがんだ瞬間に生地が極限まで引っ張られます。 このとき、生地は逃げ場を失い、膝の部分だけがポコっと伸びてしまう**「膝抜け」**を引き起こします。
一度膝の形がついてしまったスラックスは、立った時にも不自然な丸みが残り、一気に「使い古された感」が出てしまいます。ある程度の「ゆとり」を持たせることは、美しい直線を長く保つための「盾」なのです。
2. モモと尻は「連動」している
「モモ周りだけ細くしてほしい」というご要望も多いですが、実はモモを細く絞ると、構造上、お尻周りも連動してタイトになります。 結果として、座った時に常に突っ張った感覚になり、ポケットに手を入れる動作すら窮屈に感じてしまいます。
大人の色気とは、窮屈さの中には宿りません。物理的な「ゆとり」が生む心の余裕こそが、エレガンスを形作るのです。

3. それでも「細さ」を譲れないあなたへ
「どうしてもタイトなシルエットで攻めたい」というシーンもあるでしょう。その場合は、生地選びで解決しましょう。 ウール100%のクラシックな生地ではなく、ストレッチ素材やジャージ生地を選ぶのがプロの推奨です。
伸縮性のある生地であれば、タイトに攻めても膝抜けしにくく、アクティブな動きをしっかりとサポートしてくれます。
プロの独り言
私は、お客様が椅子に座って商談している姿や、ソファで寛いでいる姿まで想像して寸法を決めます。
「細くする=見栄えが良い」という固定観念を一度捨てて、今のあなたの体型に合った**「正しいゆとり」**を纏ってみませんか?それが、失敗しないスーツ作りの第一歩です。
「自分の最適なサイズがわからない」 そんな方は聞くのが一番。




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