第1部では「失敗しない3つの丈(袖丈・裾丈・着丈)」のお直しルール、第2部では腕周り65cmのボディビルダーのお客様を仕立てた現場のエピソードをお伝えしました。
どれほど規格外の体型であっても、骨格と筋肉のつき方に合わせて仕立てれば、スーツは驚くほど美しく、ストレスなく快適に着こなすことができます。
しかし、世の中には標準的な体型であるにもかかわらず、「なぜかスーツが垢抜けない」「SNSで見かける人のように格好良く見えない」と悩んでいる方が大勢いらっしゃいます。
Instagramやピンタレストで「これ格好いい!」と思ったスーツをそのまま真似して買ってみても、なぜか同じ雰囲気にならない。そんな経験はありませんか?
ファッション業界に20年以上身を置き、佐々町で13年間オーダースーツを仕立ててきた私が、その根本的な原因と「本当にオシャレになるための唯一の法則」をお伝えします。

原因:画面のモデルとあなたの「体型・雰囲気」は違う
SNSの着こなしをそのまま真似して失敗する理由は、極めてシンプルです。 画面の向こうにいる人と、あなたの「体型・骨格・醸し出す雰囲気」が根本的に違うからです。
SNSで流れてくる海外モデルやインフルエンサーの写真は、彼らの身長、手足の長さ、肩幅、顔立ち、そして全体の雰囲気が合わさって初めて完成しています。
それをそのまま自分の身体に当てはめようとしても、どこかに無理が生じて違和感が出るのは当然のことです。

流行りのシルエットや、誰かの着こなしに無理に乗っかる必要は一切ありません。 それよりも、「自分の体型と雰囲気に合わせたサイズ感」を着ている人の方が、圧倒的にその人らしく、結果として一番格好良く見えます。
20年の現場で確信した真実:「サイズ感が分かれば、人は誰でもオシャレになる」
アパレル業界に20年以上関わり、数え切れないほどのお客様のフィッティングをしてきて、私が心から確信している真実があります。
それは、「自分のジャストサイズが分かっている人は、それだけで絶対にオシャレになる」ということです。
ファッションの世界ではよく「抜け感」や「あえてオーバーサイズで着崩す」といったテクニックが語られます。 しかしあれは、「自分の身体に対するジャストサイズ(基準点)」を完璧に把握している人がやるから成立する技です。
自分の基準となるジャストサイズを知らないまま、ネットや雑誌の真似をして崩しても、それは抜け感ではありません。ただの「サイズが合っていないダサい着こなし」になってしまいます。
まずは自分の身体に対して、どこが「基準のジャスト」なのかを知ること。崩すのはそれからです。

外国人や米兵のお客様も同じ。「骨格」が違えば基準も変わる
これは日本人のお客様だけに限った話ではありません。
佐世保という土地柄、当店には米軍基地のアメリカ人のお客様も多くご来店されます。彼らもまた、日本の既製品はもちろん、本国の既製品であっても「肩に合わせると丈が合わない」「全体が大きすぎて野暮ったくなる」とサイズ感に深く悩んでいます。
アメリカ人と日本人では、筋肉量だけでなく、骨盤の位置や胸の厚み、腕の長さといった「骨格の基準」が根本から違います。
だからこそ、誰かの物差し(既製品のサイズ表やSNSのトレンド)に自分を無理やり合わせるのではなく、「自分自身の身体の基準」を知ることがすべてのスタートになるのです。
結論:流行を追う前に、まず「自分の基準」を手に入れる
スーツを格好良く、そして自分らしく着こなすためのステップはとてもシンプルです。
- 誰かの真似や、流行りのシルエットをそのまま追うのをやめる
- 自分の体型と雰囲気に合った「本当のジャストサイズ」を知る
もし、今着ているスーツに「肩に合わせると胴回りが余る」「動くとどこかが突っ張る」「なぜかパッとしない」という妥協を感じているなら、それはあなたの体型が悪いのではありません。既製服の規格や、他人の基準に無理に合わせていることが原因です。
L’ECRINでは、スーツを販売すること以上に、「あなた本来の体型と雰囲気が最も引き立つジャストサイズをお伝えすること」を何よりも大切にしています。
誰かの真似ではない、あなた自身が一番格好良く見える基準を、ぜひ体感しに来てください。

