友人の結婚式の招待状が届いた。手持ちのスーツで一番きちんとして見えるのは、仕事用の黒いスーツ。これで行っていいのか、礼服を買うべきなのか。結婚式の前によく出てくる悩みです。
結論から言うと、男性ゲストが黒いスーツで結婚式に参列するのは一般的で、マナー違反にはなりません。ただし、黒スーツにも礼服(ブラックフォーマル)とビジネス用の黒スーツがあり、合わせるネクタイや小物を間違えると、お祝いの場にふさわしくない印象になります。
この記事では、結婚式に黒スーツで参列するときの考え方を、立場別の目安、小物の選び方、避けたい組み合わせの順に説明します。
結婚式に黒スーツで参列してもいいのか

日本の結婚式では、男性ゲストの多くが黒いスーツで参列しています。もともと、慶弔両用のブラックフォーマル(略礼服)に白やシルバーのネクタイを合わせる装いが定番だったためです。
昔は、礼服に色ネクタイを合わせる方が大半でした。今は濃紺やグレーのスーツで参列する人も増えましたが、黒は今も結婚式の定番色です。
礼服の黒とビジネス用の黒は別物
一方で、注意したいのはビジネス用の黒スーツです。礼服の生地は深い黒に染められていて、光沢も抑えてあります。ビジネス用の黒スーツと並ぶと、色の深さの違いがはっきり分かります。
友人として参列するなら、ビジネス用の黒スーツでも失礼にはあたらないとされています。ただし生地がくたびれていたり、テカりが出ていたりすると、礼服を着た人の隣で目立ちます。手持ちの黒スーツで出るなら、事前にクリーニングに出し、サイズが合っているかを鏡で確認しておくと安心です。
礼服・喪服・ブラックスーツの違いそのものは、礼服と喪服・ブラックスーツの違いで詳しく整理しています。
立場別の目安
どこまできちんとした服装にするかは、新郎新婦との関係で変わります。
| 立場 | 服装の目安 |
|---|---|
| 新郎新婦の父親 | モーニングコート(昼)など正礼装が基本。会場や両家で合わせる |
| 親族(兄弟・叔父など) | ブラックフォーマルが無難 |
| 主賓・上司として招かれた場合 | ブラックフォーマル、または上質なダークスーツ |
| 友人・同僚 | ブラックフォーマル、ダークスーツ、ビジネス用の黒スーツ |
| 二次会のみ参加 | ダークスーツやジャケットスタイルでも可。招待状の指定に従う |
親族として出る場合は、ゲストを迎える側に立つことになります。友人よりも一段きちんとした服装を意識し、ビジネス用の黒スーツよりはブラックフォーマルを選ぶ方が安心です。
招待状に「平服で」と書かれていたら
「平服でお越しください」は普段着でよいという意味ではなく、略礼装で来てくださいという意味です。男性なら、ダークスーツや黒スーツにネクタイを締めれば問題ありません。ジーンズやノーネクタイはさすがにくだけすぎます。
黒スーツに合わせる小物

同じ黒スーツでも、小物の選び方でお祝いの装いになるかどうかが決まります。
| アイテム | おすすめ | 避けたいもの |
|---|---|---|
| ネクタイ | 白、シルバーグレー、淡いパステルカラー | 黒の無地 |
| シャツ | 白無地。淡いブルーも友人の立場なら可 | 黒シャツ、柄の強いシャツ |
| ポケットチーフ | 白の麻やシルク | 挿さないのも可。派手すぎる柄 |
| 靴 | 黒の内羽根(ストレートチップなど)、よく磨いたもの | スニーカー、ブーツ、カジュアルなローファー |
| 靴下 | 黒、濃紺 | 白、くるぶし丈 |
| ベルト | 靴と同じ黒 | カジュアルなバックル |
ポケットチーフは、白をまっすぐ折って胸ポケットから少し見せる挿し方(TVフォールド)が手軽で失敗がありません。チーフを1枚挿すだけで、ビジネス用の黒スーツでもお祝いの場らしい雰囲気になります。
黒スーツで避けたい組み合わせ
黒ネクタイは弔事を連想させる
黒いスーツに黒いネクタイを合わせると、喪服と同じ装いになります。日本の結婚式では、これは避けた方が無難です。
礼服の成り立ちから考えると黒ネクタイ自体は間違いではありません。ただ、日本の結婚式では白い目で見られてしまいます。一方で、黒の蝶ネクタイなら違和感なく受け入れられています。蝶ネクタイを選ぶなら、黒の蝶ネクタイは選択肢になります。詳しくは礼服は何故黒なのか?をご覧ください。
全身黒は重すぎる
黒スーツに黒シャツ、黒ネクタイといった全身黒の組み合わせは、お祝いの場では重く見えます。ファッションとしては格好良くても、結婚式では新郎新婦や親族の目を気にする人もいるため、シャツは白にしておく方が無難です。
白いスーツは新郎と重なる
黒の話からは外れますが、白やシルバーの明るいスーツは新郎の衣装と重なりやすいため、ゲストは避けるのが一般的です。主役より目立たないことが、結婚式の服装の基本です。
季節と会場で気をつけること
夏の結婚式でもジャケットは着ておく
真夏の結婚式では、ジャケットを脱ぎたくなるかもしれません。それでも挙式と披露宴の間は、ジャケットを着ているのが基本です。会場内は冷房が効いていることがほとんどなので、移動中だけ脱いで手に持ち、会場に入る前に着れば問題ありません。
暑さが気になる方は、通気性の良い薄手のウール生地や、背中の裏地を省いた仕立ての黒スーツを選ぶと、見た目を崩さずに涼しく過ごせます。
ガーデンやレストランウエディングの場合
ガーデンウエディングやレストランでの少人数の式では、ホテルや式場ほど堅い雰囲気ではないこともあります。それでも、招待状に服装の指定がなければ、黒スーツやダークスーツにネクタイを締めて行けば外すことはありません。くだけた服装にするかどうかは、新郎新婦からの案内を確認してから決めましょう。
手持ちの黒スーツをお祝い仕様にするコツ
ビジネス用の黒スーツで参列する場合でも、少しの工夫で仕事着の印象を和らげられます。
ひとつはネクタイです。普段使いの紺やエンジのネクタイではなく、シルバーグレーや白の光沢のあるネクタイに替えるだけで、お祝いの装いになります。もうひとつは胸元の白いチーフで、先に紹介したとおり効果が大きい小物です。
靴も見落とせません。仕事で毎日履いてかかとがすり減った靴は、意外と目に入ります。式の前に磨いておくか、黒の内羽根の靴を1足用意しておくと、礼服を着るときにもそのまま使えます。
サイズが合っていることが一番の礼儀
マナーの話をしてきましたが、実際の会場で印象を左右するのはサイズ感です。袖が長すぎる、肩が落ちている、裾がたまっている。そうした黒スーツは、どれだけ正しい小物を合わせてもだらしなく見えます。
逆に、体に合った黒スーツに白いチーフを1枚挿すだけで、写真に写ったときの印象は大きく変わります。結婚式は集合写真が長く残る場です。手持ちのスーツで出るなら、袖丈と裾丈だけでも合わせておくと見違えます。丈の目安はスーツの袖丈の目安やスラックスの丈の選び方で紹介しています。
長く使える1着を選ぶなら
これから結婚式に呼ばれる機会が増える年代なら、慶弔両用のブラックフォーマルを1着用意しておくと、結婚式にも葬儀にも対応できます。友人の結婚式が続く時期だけでなく、その後の冠婚葬祭まで長く使えます。
当店L’ECRINでは、結婚式で着る礼服やスーツのお仕立てを承っています。通常の仕上がりはご注文日から約45日です。式の日取りが決まったら、余裕をもってご相談ください。料金の目安は料金案内に載せています。
オーダースーツのご相談
袖丈・裾丈・着丈も、肩や腕まわりも、サイズ表ではなくお客様の身体に合わせて仕立てます。既製品が合わずお困りの方も、お気軽にご相談ください。
ご来店は予約制で、サロンを貸し切りでご利用いただけます。
お電話でのご予約:0956-76-9512 ・ lecrin0707@gmail.com

