結婚式の準備を進めていると、新婦のドレス選びに比べて、新郎のタキシードは後回しになりがちです。式場の提携ショップで勧められるままにレンタルを決めて、当日の写真を見て「なんだか服に着られている」と感じた、という声も聞きます。
新郎のタキシードを用意する方法は、大きく分けてレンタルとオーダーの2つです。費用だけを比べるとレンタルが有利に見えますが、前撮りや二次会、体型との相性まで含めると、どちらが合うかは人によって変わります。
この記事では、結婚式の新郎タキシードをレンタルにするかオーダーにするかを、費用、サイズ、デザイン、準備期間、式のあとの使い道から比べます。オーダータキシードを選ぶときに決めることもあわせて紹介します。
結婚式で新郎が着るタキシードとは

タキシードは、本来は夜の準礼装として着られてきた服です。黒や濃紺のジャケットの襟に拝絹(シルクなどの光沢のある生地)をかけ、蝶ネクタイを合わせるのが基本の形です。
格式で言えば、昼の正礼装はモーニングコートです。ただ日本の結婚式では、時間帯を問わず新郎がタキシードを着るのが一般的になっています。白、シルバー、ネイビー、ベージュなど、色の選択肢が広いのも新郎のタキシードならではです。
レンタルとオーダーの違いを比べる
まずは全体の違いを表にまとめます。
| 比べるところ | レンタル | オーダー |
|---|---|---|
| 費用 | 比較的安い。ただし追加料金が出ることがある | 高くなりやすい。追加料金は基本的にない |
| 試着 | 実物を見て試着できる | 仕上がりは完成まで見られない。仮縫いで確認できる店もある |
| サイズ | 在庫のサイズから選ぶ | 体に合わせて作る |
| デザイン | 在庫の中から選ぶ | 生地、襟の形、裏地まで選べる |
| 新品かどうか | 新作を借りられるかはタイミング次第 | 必ず新品 |
| 前撮り・二次会 | 前撮り衣装料や持ち出し料がかかる場合がある | 自分の服なので自由に着られる |
| 準備期間 | 短くても間に合いやすい | 注文から仕上がりまで1〜2か月ほどかかる |
| 式のあと | 返却する | 手元に残る。ジャケットとして着回せる |
費用は「追加料金」まで含めて比べる
レンタルタキシードの料金は、式場やショップ、デザインによって数万円から数十万円まで幅があります。目安としては12万円前後が多くなっています。
比べるときに見落としやすいのが、当日の衣装料以外にかかる費用です。次のような費用が別にかかる場合があります。
- 前撮りで同じ衣装を着る場合の前撮り衣装料
- 二次会でもタキシードを着たい場合の持ち出し料
- 披露宴で汚してしまったときのクリーニング代
披露宴が盛り上がってプールに飛び込んだ、ビールをかけられた、という実際にあった話も書かれています。オーダーなら自分の服なので、二次会に着ていっても汚れても自己責任で済みます。
オーダータキシードは素材や仕立てで価格が変わり、レンタルより高くなることが多いのは確かです。当店の場合、ディナージャケットとスラックスで200,000円からで、生地とオプションによって金額が変わります。それでも、前撮りと二次会まで同じ衣装で通すなら、差は思ったより小さくなる場合があります。見積もりを取るときは、当日だけでなく前撮りから二次会までの総額で比べてみてください。
サイズが合うかどうかが一番の違い
レンタルの弱点はサイズです。ショップにたくさんのタキシードが並んでいても、同じデザインを全サイズそろえているわけではありません。試着に行ったら着られるものが3着しかなかった、という声もよく聞かれます。
特に困りやすいのは、標準から少し外れた体型の方です。腕が長い方や、スポーツをしていて肩幅が広い方は、肩に合わせてサイズを上げると、今度はウエストがだぶつきます。体格の良い方のスーツ選びについてはマッチョ・体格の良い人のスーツ選びでも詳しく書いています。
オーダーなら、肩、胸、ウエスト、袖丈、着丈をそれぞれ体に合わせられます。「着丈を短くしてすっきり見せたい」「パンツをもう少し細くしたい」といった細かな希望も反映できます。
試着できる安心感はレンタルにある
一方で、実物を見て決められるのはレンタルの大きな利点です。オーダーは生地見本とデザインの組み合わせから完成形を想像して決めるため、仕上がりを見るまで分からない部分が残ります。
不安な方は、仮縫いがある店を選ぶとよいでしょう。仮縫いでは、本番の前にお試し用の服を作って試着し、シルエットや丈を確認できます。当店では仮縫いは希望制・有料で承っています。
レンタルが向いている人、オーダーが向いている人
レンタルで気に入ったデザインがあり、サイズもぴったりで、価格にも納得できる1着に出会えたなら、迷わずレンタルを選んでかまいません。そのうえで、すぐに決めずにオーダーの話も聞き、比べてから決めるのが一番です。
その考え方をもとに、向いている人を整理すると次のようになります。
レンタルが向いているのは、式までの期間が短い方、実物を見てから決めたい方、式のあとにタキシードを着る予定がない方です。標準的な体型で、気に入ったデザインのサイズが合えば、満足度の高い選択になります。
オーダーが向いているのは、レンタルでサイズが合うものが見つからなかった方、ドレスに合わせて色や生地にこだわりたい方、前撮りや二次会でも同じ衣装を着たい方です。式の思い出を形として手元に残したい方にも向いています。
レンタルはサービスにお金を払い、オーダーは形にお金を払う、という違いがあります。レンタルとオーダーそれぞれの考え方については、ブログそのタキシードで満足してる?とオーダータキシードはメリットしかないで紹介しています。
オーダータキシードで決めること
オーダーを選んだ場合に、打ち合わせで決めていく主な項目を紹介します。
色と生地
まず決めるのは色です。定番の黒やネイビーのほか、ベージュやシルバーなど明るい色も選べます。新婦のドレスの色味や、会場の雰囲気と合わせて考えると決めやすくなります。
当店でこれまでにお仕立てしたタキシードには、Canonico、Reda、Dormeuil、Scabalなど、イタリアやイギリスの生地を使ったものがあります。
襟の形
タキシードの印象を大きく左右するのが襟(ラペル)です。丸みのあるショールカラーはやわらかく上品な印象に、先がとがったピークドラペルはシャープで華やかな印象になります。襟の形と見た目の関係はゴージラインとラペル幅の話でも紹介しています。
ベスト、裏地、遊び心

ベストを合わせるか、カマーバンドにするかも選べます。裏地は、ジャケットを脱いだときや動いたときにちらりと見える部分です。当店ではキース・ヘリングの柄を裏地に使った例もあり、二人らしさを入れやすいところです。ダブルブレストやパイピング、ショートパンツ合わせなど、レンタルではなかなか見ないデザインも形にできます。
準備は式の2〜3か月前から
オーダーの場合、採寸から仕上がりまでに時間がかかります。当店の通常の仕上がり期間は、ご注文日から約45日です。生地やデザインを決める打ち合わせ、仮縫いを入れる場合の試着、前撮りの日程まで考えると、式の2〜3か月前には相談を始めておくと安心です。
式のあとも着られるのがオーダーの強み
オーダーしたタキシードは、式が終わっても手元に残ります。結婚記念日の食事や、友人の結婚式の二次会などで着る方もいます。
形を変えて着続ける方法もあります。当店では、挙式後のタキシードをお直しして、普段使いしやすいジャケットにリメイクするご相談にも対応しています。これまでのお仕立て例はタキシードのページで紹介しています。
一生に一度の写真に残る1着だからこそ
新郎のタキシードは、新婦のドレスの隣に立ち、何十年も見返す写真に残ります。レンタルにするかオーダーにするかに正解はありません。大切なのは、サイズが合っていて、自分が納得できる1着を選ぶことです。
まずはレンタルショップで実物を見て、気になったらオーダーの話も聞いてみる。そうして比べてから決めると、当日を気持ちよく迎えられます。L’ECRINでは長崎県佐々町のサロンで、完全予約制・貸切でタキシードのご相談を承っています。料金の目安は料金案内をご覧ください。
オーダースーツのご相談
袖丈・裾丈・着丈も、肩や腕まわりも、サイズ表ではなくお客様の身体に合わせて仕立てます。既製品が合わずお困りの方も、お気軽にご相談ください。
ご来店は予約制で、サロンを貸し切りでご利用いただけます。
お電話でのご予約:0956-76-9512 ・ lecrin0707@gmail.com

